京都の嵐山。早朝5時、まだ観光客が訪れる前の竹林の道を歩く。冬の冷たい空気が肌を刺す。

風が吹くたびに、竹が揺れる音が響く。カタカタという乾いた音。それ以外は何も聞こえない。完璧な静寂。

竹林の美学

真っ直ぐに伸びる竹の幹。その間から差し込む朝の光。影と光のコントラストが、幾何学的な美しさを作り出している。

日本の美意識は、この静けさの中にある。何も足さない、何も引かない。ただそこにあるものの美しさを感じる心。

時間の流れ

この竹林は何百年も前から、同じようにここに立っている。多くの人々がこの道を歩き、同じ風景を見てきた。

私もまた、その長い歴史の一瞬に立ち会っているに過ぎない。そう思うと、日常の悩みが小さく思える。

旅とは、こうした時間の流れを感じることなのかもしれない。自分という存在の小ささと、同時に、この瞬間に生きていることの尊さを知ること。